更新日:2024.10.04リハビリ【3分でわかる】言葉の遅れが心配な親御様へ|言葉の発達の目安と初めて気づく兆候と対応方法
お子さんの言葉の発達について心配している親御様にとって、どの段階で発達が遅れているかを判断するのは難しいことです。
言語の発達には一般的な目安があり、早期に兆候に気づくことで適切な対応ができるようになります。
この記事では、幼児期における言語やコミュニケーションの発達の目安と、遅れが見られる際の初期兆候、そしてその対応方法についてわかりやすく解説します。
目次
幼児期における言語やコミュニケーションの発達
幼児期における言葉の発達は段階的に進み、年齢に応じた発達の目安があります。これを理解することで、言語遅延があるかどうかを判断しやすくなります。
0〜6ヶ月
この時期の赤ちゃんは音に反応し、泣くことで感情やニーズを伝えます。母親や父親の声に対して笑ったり、泣き声で不快感を示すのが一般的です。
また、赤ちゃんは「アー」「ウー」といった喃語(なんご)を使ってコミュニケーションを始めます。
6〜12ヶ月
6ヶ月頃になると、喃語の種類が増え、「バババ」「ダダダ」といった音を発します。
また、手を振る「バイバイ」や、指差しなどのジェスチャーも見られるようになります。
1歳頃には、親の呼びかけに応えて振り向くことが増えてきます。
12〜18ヶ月
最初の単語が出始める時期です。多くの子どもが「ママ」「パパ」「ワンワン」など、身の回りのものを指す言葉を話します。
加えて、「ボールを取って」「お座りして」などの簡単な指示を理解し、従うこともできるようになります。
18〜24ヶ月
この時期には語彙が急激に増加し、子どもは20〜50語以上を話すようになります。
「お水ちょうだい」「ママ行く」など、二語文も話し始め、コミュニケーション能力が発展します。
2〜3歳
3語以上の文を使って話すようになり、複雑な文法や言葉の使い方も見られます。
「どうして?」「どこ?」など、質問をすることも増え、周囲への関心が高まります。
身の回りのことを言葉で説明したり、簡単なやりとりができるようになります。
3〜4歳
文法の使い方がより発達し、過去形や未来形を使って話すことができるようになります。自分の経験を話すだけでなく、物語を作ることもできるようになり、想像力が言葉を通じて発揮されます。
4〜5歳
より複雑な会話ができるようになり、質問や応答がスムーズになります。
文法の誤りも減り、抽象的な概念(昨日、明日など)を使って話すことができるようになります。語彙も大幅に増え、表現力が豊かになります。
幼児期における言葉の遅れの初期兆候
言葉の発達には個人差があるものの、いくつかの重要な初期兆候を見逃さないことが大切です。
これらの兆候に早めに気づくことで、専門家のサポートを受け、適切な対応を取ることができます。
ジェスチャーや指差しが少ない(1歳頃)
通常、1歳頃になると、赤ちゃんは手を振ったり指差しをして欲しいものを伝えますが、これが見られない場合はコミュニケーションの遅れの可能性も考えられます。
単語を話し始めるのが遅い(1歳半頃)
1歳半までに「ママ」「パパ」などの単語を話さない場合、言葉の遅れの兆候です。他の子どもと比べて言葉の数が少ない場合も要注意です。
二語文が出ない(2歳頃)
2歳頃には、「お水ちょうだい」「車来た」といった二語文が使えるようになります。これが見られない場合、言語発達に遅れがある可能性があります。
指示が理解できない(2歳頃)
簡単な指示(「持ってきて」「座って」など)を理解できない場合、言語理解に注意が必要かもしれません。
周囲の音や声に反応しない
周囲の音や声に対して反応が鈍い、名前を呼んでも振り向かないなどの行動が見られる場合、聴覚や言語発達に遅れがある可能性があります。
模倣や遊びが少ない(1歳半〜2歳頃)
ごっこ遊びや車を走らせるといった模倣遊びが見られない場合、言語やコミュニケーションのスキルに問題がある可能性があります。
感情表現が乏しい
言葉を使わず、笑顔や泣き顔で感情を表現することも少ない場合、感情表現の発達が遅れているかもしれません。
やりとりが苦手
「いないいないばあ」や「ボールの投げ返し」といった簡単なやりとり・遊びができない場合も、言語発達の遅れの兆候と考えられます。
いずれも個人差があるため一概にはいえません。
もし気になるようであれば早めに専門家にご相談されることをお勧めします。
幼児期における言葉の遅れへの対応
言葉の遅れが気になる場合、早期に対応することで子どもの発達をサポートすることができます。以下の方法を参考に、適切な対応を取ることが大切です。
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専門家に相談する
言葉の遅れが見られる場合、まずは小児科医に相談しましょう。必要に応じて、言語療法士や発達専門の医師の診断を受けることが勧められます。専門家の評価を受けることで、具体的なアドバイスやサポートが得られます。 -
家庭での言語刺激を増やす
親ができる最も効果的な対策の一つは、日常生活で子どもに積極的に話しかけることです。食事の時間やお散歩中に、見ているものやしていることについて説明したり、質問を投げかけたりして、言葉の刺激を与えることが重要です。 -
絵本の読み聞かせ
絵本を読み聞かせることは、子どもの語彙や言語発達を促進する効果があります。毎日少しずつでも絵本を読む時間を設け、言葉の意味や使い方を学ばせることができます。 -
簡単な指示を与える
日常生活の中で簡単な指示を出し、子どもがそれを理解し実行できるかを確認しましょう。「これを取ってきて」「ボールを投げて」などの簡単なアクションを含む指示を与えることで、言葉と行動の結びつきを強化できます。 -
遊びを通じた学び
おままごとやブロック遊びなど、想像力を使った遊びを取り入れることで、コミュニケーション能力を育てることができます。また、他の子どもたちと一緒に遊ぶ機会を増やすことで、社会的なスキルも向上します。 -
焦らず、継続的にサポートする
言葉の遅れは、焦らずにサポートを続けることが大切です。結果がすぐに出なくても、継続的にサポートを行うことで、少しずつ改善が見られることが多いです。
子どもの言葉の発達には個人差がありますが、早期に兆候に気づき、適切な対応を取ることで、将来的な言語発達の遅れを軽減することができます。
親子で過ごす時間が何よりのアプローチだと思います。
また、お悩みはお一人でかかえられずに、小児科や専門家、家族会などでご相談しながら子育てと向き合って頂けたらと思います。
参考文献
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