更新日:2024.04.15リハビリ脳卒中の方に遠隔リハビリを届けたい
私たちは日々、遠隔リハビリの普及を目指して活動をしています。
遠隔リハビリに関心のある理学療法士さんや作業療法士さんも少なくないと思います。
どうやったら多くの方にお届けできるのかについて
手探りで進めておりますが、
どのような課題があるか、何を改善するべきかについてずっと悩んでいました。
そんな時にヒントとなる論文を見つけましたので紹介しつつ
どうすれば遠隔リハビリを必要な方に届けられるのかを考えていきたいと思います。
目次
脳卒中患者への遠隔リハビリ提供に影響を与える要因
文献紹介
今回ご紹介する文献*1はこちらです。
Stephenson, Aoife, et al. “Factors influencing the delivery of telerehabilitation for stroke: A systematic review.” PLoS One 17.5 (2022): e0265828.
日本語にすると次のようになります。
脳卒中の遠隔リハビリテーションの実施に影響を及ぼす要因:システマティックレビュー
そのような論文かといいますと、
脳卒中感謝に対して遠隔リハビリを提供する際に、
良くも悪くも影響を及ぼすのは何なのかについて、
膨大な数の論文から選りすぐり41本を選んで整理してくれています。
遠隔リハビリの現在地が分かる論文ですね。
自分で調べる手間が大幅に減るのでとてもうれしいです。
やっほーい!著者の先生方ありがとうございます!
それでは中身にうつりましょう。
※本稿では一般公開されている部分を一部参考にさせて頂いており、引用箇所以外はブログ作者の考えに基づいております。
遠隔リハビリ提供に影響する要因は4つ
遠隔リハビリの提供に影響を与える要因について、
論文*1では次のように結論付けられています。
Conclusions
This review synthesises the evidence relating to factors that may influence stroke telerehabilitation intervention delivery at a crucial timepoint given the rapid deployment of telerehabilitation in response to the COVID-19 pandemic. It recommends strategies, such as ensuring adequate training and technical infrastructure, shared learning and consistent reporting of cost and usability and acceptability outcomes, to overcome challenges in embedding and routinising this service model and priorities for research in this area.
難しいのですが、要するに次の4つが重要のようです。
- 療法士が効果のある遠隔リハビリの提供をできるか。
- 提供するコストが許容範囲内か。
- ユーザーにとって使いやすいものになっているか。
- アクセスしやすいか(始めやすいか)。
とてもシンプルで共感できる結論だなあと思います。
それぞれを実現するためのヒントを次から記載していきます。
脳卒中患者に遠隔リハビリを提供するために
療法士が効果のある遠隔リハビリを提供する
脳卒中患者への遠隔リハビリの効果は多数報告されており、
その多くで対面のリハビリと変わらない効果が得られるとされています。
文献的な情報については別の機会に記事させていただくとして、
ここでは筆者が実際に脳卒中患者への遠隔リハビリを行って感じたことをお伝えします。
なお、筆者が理学療法士であることもあり、
今回は言語療法に関しては一度割愛いたします。
遠隔での言語療法については
2024年4月17日に説明会を行いますのでそちらを参考にしてください。
説明会の詳細はこちら
https://45019106.hubspotpagebuilder.com/online-introduction-0
実際には対面のリハと同じように提供できていると思うことと、
遠隔では難しいと感じることがあります。
対面のリハと同じようにできると思うことは、次の通りです。
- 下肢後面(ハムストリングスや下腿三頭筋)のストレッチ
- 起立練習、スクワットなどの下肢の筋力トレーニング
- 自主練習指導(歩行量の調整や運動方法)
- 福祉用具などの提案
- 大まかな姿勢や歩容の確認 など
基本的に目と口は使えるので、
触らなくてもできることはできます。
こちらに記載していること以外でも評価など
転倒などのリスク管理を適切におこなうことで、
できることの幅は大きく広がります。
反対に実際に行ってみて難しいと感じたことは
特に上肢のストレッチです。
ご自身の非麻痺側でストレッチする方法は十分に伸ばしきることが難しく、
訪問リハビリのスタッフに情報共有して依頼するなどの連携を行っておりました。
ご家族がいらっしゃる方についてはご家族に依頼することである程度の範囲はストレッチも行うことができました。
このように専門的知識を踏まえて触る必要があることについては
遠隔リハビリでは難しい側面があります。
そのような技術については、
ご自身で行える動作の中で促すなどの工夫を行い
経験を重ねることで解決していける可能性はあると考えております。
提供コストを最小化する
個人で遠隔リハビリを提供しようとすると、
- 機材の準備
- ビデオ会議の設定
- 日程調整
- 記録や連絡
- 費用の徴収
などさまざまな時間的、金銭的コストが生じます。
そのような状態を解決するために遠隔リハビリのプラットフォームがあります。
手前味噌ですが、、、
遠隔リハビリのプラットフォームアプリ「リハモ」では、
登録も遠隔リハビリの提供にも療法士のコスト負担は一切ありません。
スマホアプリに登録しておいて、
利用者さまより予約が入れば、
そのまま始めることができます。
詳細はこちら
リハモHP:https://rehamo.online/
意外にもコスト面の課題を既に解決してしまっておりました。
ぜひ活用してください~!
書いてて気づいたのですが、
使いやすさについても、アクセスのしやすさについても
リハモがだいぶ解決していて、
あとは使って頂いて改善点を見つけて改善していくのみでした。
例えば使いやすさでいうと、
利用者さんも登録して、検索して、予約することができて、
お知り合いであれば名前で検索することも可能です。
予約しておけばアプリを開いてワンタップでリハビリを始めることができます。
なんといいますか、いいのできてますね。
お恥ずかしながらいま気づきました。
あまり宣伝になっても仕方ないので
このあたりにさせていただきます。
引きつづき、効果のあるリハビリを多くの人に届けることができるように励みます。
宜しくお願い申し上げます!
参考文献
*1:Stephenson, Aoife, et al. “Factors influencing the delivery of telerehabilitation for stroke: A systematic review.” PLoS One 17.5 (2022): e0265828.