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更新日:2023.01.19療法士キャリア「仕事を辞めたい…」 リハビリ職が迷ったときに考えたいポイントと転職方法とは

患者さんの運動機能維持や社会復帰を支えるリハビリ職。
やりがいを感じ日々一生懸命働いている方が多いと思いますが、多職種との関わり方や患者さんとのコミュニケーションで悩んだり、想像していたよりも忙しかったりと、ギャップに戸惑うこともあります。

そういったときの選択肢のひとつに「転職」があります。
リハビリ職の働く場所は多様なので、自分の希望にあった職場が見つかる可能性もありますが、自分と向き合い悩みや希望を明確にしないと思い通りの転職にならないかもしれません。

今回はリハビリ職の働く場所とその特徴を紹介し、後悔しない転職をするためにはどのように考えたらいいのか解説します。

リハビリ職はどんな場所で働いている?

まず、リハビリ職がどのような場所で働いているのか、データを見てみましょう。

理学療法士に限られてしまいますが、日本理学療法士協会の会員分布のデータ(2022年3月末時点)から、特に会員人数が多い働き場所を中心に紹介します。

 

(1)病院:74,059人

うち、総合病院:18,106人、療養型病床:3,305人

 

(2)診療所:10,766人

 

(3)医療福祉中間施設:8,456人

うち、介護老人保健施設:6,369人

 

(4)老人福祉施設:2,218人

 

(5)教育・研究施設:2,875人

うち、理学療法大学教員:1,409人

 

(6)その他

訪問看護ステーション:2,262人*1

 

このように、理学療法士の働く場所は病院や介護分野だけでなく教育や研究分野にもあり、多種多様であることが分かります。

また、ヘルスケア分野に取り組む一般企業に就職し、これまでの経験を活かすという働き方も増えてきています。

 

リハビリ職が働く場所の特徴とは

では、主にリハビリ職が働く場所ではそれぞれどのような特徴があるのか、患者さんはどういった方が多いのか見ていきましょう。

 

(1)病院・診療所

手術をしたあとの患者さんや入院によって身体機能が低下した患者さんなどが対象です。

主に急性期や回復期にある方へのリハビリが多く、元の生活に戻ることを目的としたリハビリを行います。

 

(2)介護施設(特別養護老人ホーム、有料老人ホームなど)

高齢者の方が介護を受けながら生活をしている施設で、病院に比べて病状が安定している方が多くなっています。

リハビリの目的も、元の状態に戻すことよりも現状維持や悪化防止に重点を置かれることが多くなっていきます。

 

(3)在宅介護サービス

デイサービスやデイケアでは、自宅で暮らす利用者さんが施設に通いリハビリを受けます。

そのため、病院や介護施設の患者さんに比べて日常生活が自立している方が多くなっています。

このような通所サービスだけではなく、訪問リハビリテーションや訪問看護ステーションなど利用者さんの自宅へ訪問するサービスもあります。

自宅でのリハビリとなるので、利用者さんの生活状況が見えやすく、リハビリに活かしやすいというメリットもあります。

また、病院に比べて家族との関わりが増えるので、家族の悩みや不安に寄り添う姿勢も求められます。

 

なお、リハビリ職は夜勤がない場合が多いのですが、勤務先によっては夜勤がある場合もあります。

また、休日も勤務先によってさまざまで、介護分野の職場は土日祝日が休みのことも多いですが、大学病院や総合病院など毎日リハビリを行っているところではシフト制の勤務になります。

 

退職や転職が頭に浮かんだ時にやってほしいこと

「仕事を辞めたい」「リハビリ職が向いていないのかもしれない」と思ったとき、

「でも、仕事を辞めたあとどうしよう」と漠然とした不安が襲ってくるかもしれません。

そのようなとき、「転職するかどうか」だけ考えて決断すると、

自分の理想通りの結果にならないことがあります。

以下にポイントをまとめましたので、一つひとつ考えていきましょう。

(1)リハビリ職を辞めたいのか、続けたいのか

「仕事を辞めたい」には、「リハビリ職を辞めたい」と「今の職場を辞めたい」の二つがあります。

リハビリ職そのものをつらいと感じていたり、他にやりたいことが見つかったのであれば退職するのがよいと思いますが、今の職場を辞めたいのであれば次のポイントも考えていきましょう。

(2)今の職場で、自分の希望通りに変更できることはないのか

もしかしたら、職場を変えなくても自分の希望通りにできることがあるかもしれません。

例えば、

・働き方を正社員からパートにしてもらう

・週5日勤務を週3日に減らしてもらう

・日勤のみの勤務にしてもらう

などです。

転職には、少なからずリスクがあります。

現在の職場で変更できて、自分の理想にあう働き方ができるのであればまず検討してみましょう。

 

(3)働くうえで何を優先させるのかを決める

仕事をするうえで優先させたいものは、その人によって違います。

例えば、

・キャリアアップを目指したい

・給与や福利厚生など待遇面を優先させたい

・家事や育児などプライベートと両立した働き方をしたい

など、自分の中で何を優先させたいのか決めましょう。

そうすることで、働くうえでの軸が決まるので、理想の職場選びにつながります。

 

(4)精神的につらいときは休職がおすすめ

「眠りが浅い」「何もやる気がおきない」など、うつ状態のときに転職を決断するのはおすすめしません。

先ほども書いたとおり、転職は収入が途切れたり転職先が実は働きにくかったりする可能性があり、リスクもあります。

そのため、うつ状態のときはまず休むことが最優先です。

精神的につらいときや「眠れない」などの身体症状が出ているときには、精神科や心療内科を受診し、休職を検討しましょう。

休職の際の診断書は必ずしも必要ではないので、職場の休職制度を確認したうえで必要であればもらいます。

転職の決断は、十分に休んでからでも遅くないので、心身共に回復して適切な判断ができるようになってから考えましょう。

転職先はどうやって探したらいい?

上の見出しで挙げたポイントを考えても「やっぱり転職したい」と思ったときは、

新しい職場を探してみましょう。

方法は、主に3つあります。

(1)自分で探す

新しい職場を探すときに多くの方がインターネットで検索すると思いますが、

アナログな方法で求人を見つけることもできます。

 

病院や訪問看護ステーションなどの施設に求人募集が貼られていることがあるので、

自宅近くで転職を考えている方は意識してみるといいかもしれません。

 

また、医療・介護の分野は新聞やタウン誌の広告欄に求人が出ていることも多いので、

注意して見てみましょう。

(2)友達に紹介してもらう

同じ大学や専門学校を卒業した友達に職場を紹介してもらうというのもひとつの方法です。

 

久しぶりに会った友達から「今働いているところでスタッフが足りないんだよね。

よかったらうちに来ない?」という話がでることもあります。

 

もし友達と会う予定がある場合は、転職を考えていることを話してみると、

職場を紹介してもらえる可能性があります。

 

この方法のメリットは、職場の状況や働く人の生の声を気軽に聞けるということです。

 

新しい環境に馴染めるか不安がある方に、特におすすめします。

 

(3)転職エージェントを利用する

転職先を探す手間を省きたい、転職先とのやりとりが面倒という方は、

転職エージェントを利用する方法もあります。

 

転職先との間にエージェントが入ってくれるので、

働く条件を交渉してくれたり聞きづらい質問を聞いてくれたりなど

さまざまなサポートを受けることができます。

 

ただし、エージェントとの相性が合わなかったり

必ずしも希望どおりの転職先が見つかるわけではないなどデメリットもあるので注意しましょう。

まとめ

リハビリ職の働く場所はさまざまあるので、選択肢が多いというメリットがある反面、

どこで働くか迷ってしまうかもしれません。

 

そんなときは、どのような働き方をしたいのかを明確にすることで、職場選びがグッとやりやすくなり、

結果として満足できる転職につながります。

 

まずは今の職場で希望どおりにできる部分はないか検討したうえで、転職に踏み切るか考えていきましょう。

参照サイト

*1

参考)日本理学療法士協会 「統計情報 会員の分布」

https://www.japanpt.or.jp/activity/data/

この記事を書いた人

浅野すずかフリーライター。看護師として病院や介護の現場で勤務後、子育てをきっかけにライターに転身。看護師の経験を活かし、主に医療や介護の分野において根拠に基づいた記事を執筆。

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