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更新日:2023.01.30その他軽費老人ホーム(ケアハウス)とは?料金や入居条件などを詳しく解説

軽費老人ホーム(ケアハウス)は、家庭での生活が困難な60歳以上の高齢者が、リーズナブルな費用で利用できる福祉施設です。地方公共団体、社会福祉法人、知事認可を受けた法人などが運営しています。

本記事では軽費老人ホームの種類やサービス内容、月額費用、入所手続きについて解説します。ぜひご参考にしてください。

軽費老人ホーム(ケアハウス)とは

ここでは、軽費老人ホームの概要と利用者について解説します。

無料または低額な料金で入居できる高齢者向けの施設

軽費老人ホームは、リーズナブルな料金で利用可能な、低所得の高齢者も入居できる施設です。

家庭環境等の理由により自宅で⽣活できない高齢者が対象で、食事の提供や日常生活の支援を行います。軽費⽼⼈ホームには、A型・B型・ケアハウス・都市型と何種類かのタイプが存在します。詳細は後述しますが、それぞれの特徴は次の通りです。

 

図3)出典:公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「自立した 、尊厳ある生活を支える軽費老人ホーム・ケアハウス」 P3・7・10

https://mitte-x-img.istsw.jp/roushikyo/file/attachment/303246/keihi_pamphlet.pdf

 

入居条件は60歳以上の方が原則です。

夫婦での同居も可能であり、どちらかが60歳以上であれば利用できます。

介護が必要な高齢者でも、介護保険法上の指定を受けることにより利用できるのが特徴です。*1

 

 

 

比較的介護度の軽い「低所得」の高齢者が利用

軽費老人ホームの利用者は、要介護度と所得が低い高齢者が中心です。

基本的に自炊できる人向けの「軽費老人ホームB型」では、要支援・要介護に該当しない人が63.6%を占めています。

介護を必要としない人は「軽費老人ホームA型」で48.2%、「ケアハウス」では34.5%です。(下図1)

入居者全体の中には、家族からの虐待を受けるなど何らかの事情を抱えるため入居している高齢者もいます。

 

特定施設入居者生活介護の指定により、重度の要介護高齢者を受け入れているケアハウスも存在し、幅広いニーズに対応しています。*2

 

図1)出典:公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「自立した 、尊厳ある生活を支える軽費老人ホーム・ケアハウス」P6

https://mitte-x-img.istsw.jp/roushikyo/file/attachment/303246/keihi_pamphlet.pdf

 

軽費老人ホーム(ケアハウス)の種類・サービス内容・費用

軽費老人ホームには、A型・B型・ケアハウスの3種類があり、比較的安価に入居できるのが特徴です。

 

原則、基本利用料はサービス提供に要する費用と生活費の合計で算出されます。(下図2)それぞれの単価は自治体や施設によって違うため、入居する際には施設にあらかじめ確認してください。

 

なお、ケアハウスの場合は、別に管理費や家賃、水道光熱費など居住に要する費用が必要であり、介護保険サービスを利用する場合は本人が負担する費用も必要です。*3

図2)出典:公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「自立した 、尊厳ある生活を支える軽費老人ホーム・ケアハウス」 P10

https://mitte-x-img.istsw.jp/roushikyo/file/attachment/303246/keihi_pamphlet.pdf

 

ここでは、A型・B型・ケアハウスの3種類それぞれについて、サービス内容や月額費用などを解説します。

 

軽費老人ホームA型

軽費老人ホームA型のサービス内容や月額費用などは以下の通りです。

図3)出典:公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「自立した 、尊厳ある生活を支える軽費老人ホーム・ケアハウス」 P3・7・10

https://mitte-x-img.istsw.jp/roushikyo/file/attachment/303246/keihi_pamphlet.pdf

 

軽費老人ホームA型は、無料又は低額な料金で、高齢等のため独立して生活するには不安な高齢者が入居できる施設です。

主なサービス内容は食事の提供、入浴等の準備、健康管理、相談及びサポートなどで、高齢者が日常生活を送るために必要な支援を行います。*4

 

施設により違いがありますが、利用者が負担する月額費用は概ね月6.5万円~15万円程度までで、前年の収入額で決まります。入居者の平均利用年数は5.1年で、市町村民税非課税世帯が83.7%を占めています。*5

 

 

軽費老人ホームB型

軽費老人ホームB型のサービス内容や月額費用などは以下の通りです。

図3)出典:公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「自立した 、尊厳ある生活を支える軽費老人ホーム・ケアハウス」 P3・7・10

https://mitte-x-img.istsw.jp/roushikyo/file/attachment/303246/keihi_pamphlet.pdf

 

軽費老人ホームB型は身体機能等の低下が認められる人が、無料又は低額な料金で入居できる施設です。ただし、自炊できることが前提となります。

主なサービス内容は入浴等の準備や相談及びサポートなどで、日常生活に必要な支援を提供します。*6

 

利用者が負担する月額費用は概ね4万円程度で、施設により異なります。

入居者の平均利用年数は6.9年であり、軽費老人ホームの中では最長です。市町村民税非課税世帯が81.4%、生活保護者が11.0%を占めています。*7

 

 

ケアハウス

ケアハウスのサービス内容や月額費用などは以下の通りです。

図3)出典:公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「自立した 、尊厳ある生活を支える軽費老人ホーム・ケアハウス」 P3・7・10

https://mitte-x-img.istsw.jp/roushikyo/file/attachment/303246/keihi_pamphlet.pdf

 

ケアハウスは身体機能の低下等により、独立して生活するのが不安な人が無料又は低額な料金で暮らせる施設です。家族による援助を受けられない人も対象となります。

 

主なサービス内容は食事の提供、入浴等の準備、相談及び援助など日常生活をスムーズに行えるためのサポートです。

 

要支援、要介護高齢者に介護サービスを提供している施設もあり、東京都など都市部には入所定員が20人以下の都市型軽費老人ホームも提供されています。*8

 

軽費老人ホーム(ケアハウス)への入所手続き方法

軽費老人ホームは、高齢者ご本人と軽費老人ホームとの契約により入居することが可能です。

入所手続きの流れ

入所手続きの流れは以下のステップです。

  1. 施設の情報を収集する
  2. 申し込みをする
  3. 必要書類を持参して面接を受ける
  4. 契約する *9

直接入居申込を行う場合は、高齢者が入居したい軽費老人ホームの窓口まで出向く、あるいは電話で入居についての説明を受けます。資料を送付してもらって、じっくり検討するのも良いでしょう。

 

 自分で行えない方や家族の協力が得られない方は、自治体や地域包括支援センターに相談してください。自治体等から軽費老人ホームに照会し、高齢者の状況に応じて契約あるいは措置を検討します。

 

入居を希望する際は、利用申込書に必要事項を記入して健康診断と併せて提出し、面接を受けて問題がない場合は入居契約を結びます。

 

面接時に必要な書類

面接時に持参する書類は以下の通りです。

提出書類や面談の結果から、入居希望者の要介護度、身体的・経済的状況などを判断して入居が決まります。

 

 

まとめ

今回は、軽費老人ホーム(ケアハウス)の利用者やサービス内容・月額費用などについて解説しました。

 

軽費老人ホームは所得が少ない高齢者でも入居可能な福祉施設です。地方公共団体、社会福祉法人、知事認可を受けた法人などが運営しているため、身寄りがいない高齢者でも安心して暮らせます。

 

近年は全世帯において所得⽔準が低下しており、⾼齢の単身者も増える⾒込みです。

そのため、今後はますます軽費老人ホームの需要は増加するとみられています。*11

必要に応じて、ご利用をご検討してみてはいかがでしょうか。

 

参考文献・参考サイト

*1 参考)独立行政法人福祉医療機構「軽費老人ホーム」

https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/kourei/handbook/service/c078-p02-02-Kourei-05.html

*2 参考)公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「自立した 、尊厳ある生活を支える軽費老人ホーム・ケアハウス」P2

https://mitte-x-img.istsw.jp/roushikyo/file/attachment/303246/keihi_pamphlet.pdf 

*3 参考)公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「自立した 、尊厳ある生活を支える軽費老人ホーム・ケアハウス」P10

https://mitte-x-img.istsw.jp/roushikyo/file/attachment/303246/keihi_pamphlet.pdf

*4・6・8 参考)公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「自立した 、尊厳ある生活を支える軽費老人ホーム・ケアハウス」P3

https://mitte-x-img.istsw.jp/roushikyo/file/attachment/303246/keihi_pamphlet.pdf

*5・7 参考)公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「自立した 、尊厳ある生活を支える軽費老人ホーム・ケアハウス」P7

https://mitte-x-img.istsw.jp/roushikyo/file/attachment/303246/keihi_pamphlet.pdf 

*9 参考)公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「自立した 、尊厳ある生活を支える軽費老人ホーム・ケアハウス」P4

https://mitte-x-img.istsw.jp/roushikyo/file/attachment/303246/keihi_pamphlet.pdf

*10 ​​参考)足立区「社会福祉法人互恵会 ケアハウスはごろも募集のしおり」P1

https://www.city.adachi.tokyo.jp/documents/33160/hagorom_shiori.pdf

*11 ​​参考)厚生労働省「R2.8.3 第1回 住まい支援の連携強化のための連絡協議会 資料10」 P4 

https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/000656699.pdf

この記事を書いた人

矢口美加子ライター・宅地建物取引士・整理収納アドバイザー。宅建・整理収納アドバイザー1級、福祉住環境コーディネーター2級の資格を取得済み。不動産・介護リフォーム・不動産投資・整理収納関連の記事を複数のメディアで執筆。ライター業の他に、家族が経営する投資用物件の入居者管理もこなす。

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