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更新日:2024.06.13ヘルスケア【2024年版】パーキンソン病の疲労を軽減する3つ方法|理学療法士監修


パーキンソン病は中枢神経系に影響を及ぼす進行性の神経変性疾患であり、震え、筋肉の硬直、運動の遅れなどの症状が特徴です。これらの症状に加えて、約40%の方が疲労を感じておられます。疲労は日常生活の質を大きく低下させる要因となり、パーキンソン病がある方にとって疲労管理は非常に重要です。

本記事では、理学療法士監修のもと、2024年度版のパーキンソン病における疲労対策を3つご紹介します。

パーキンソン病における疲労の原因

 

パーキンソン病における疲労の原因は神経学的、身体的、心理的な要因があります。

 

神経学的な要因として、ドーパミンの欠乏が挙げられます。ドーパミンは運動や気分の調節に関与する神経伝達物質であり、その不足は疲労感を引き起こす可能性があります。

 

身体的な要因としては、筋肉の硬直や震えが挙げられ、これらは持続的な体力消耗を招きます。

 

心理的な要因としては、うつ病や不安が疲労を悪化させることがあります。環境的な要因として、日常生活のストレスや睡眠の質が影響します。

 

 

パーキンソン病の疲労対策1:適切な運動療法

 

適切な運動療法は、パーキンソン病患者の疲労を軽減するための有効な手段です。例えば、ウォーキング、水中エクササイズや自宅でできる運動(階段の昇り降りやストレッチなど)が推奨されます。これらの運動は筋力を維持し、体力を向上させるだけでなく、気分の改善にも寄与します。

 

ウォーキングは有酸素運動の一つであり、心肺機能の向上に寄与します。週に3〜5回、各回30分程度行うことが効果的です【1】。

 

水中エクササイズは関節への負担が少なく、全身の筋肉をバランスよく鍛えることができます。週に2〜3回、各回30分程度行うことが推奨されます【2】。

 

自宅でできる運動としては、階段の昇り降りやストレッチが挙げられます。これらの運動は日常生活の中で簡単に取り入れることができ、週に3〜5回、各回30分程度行うことが推奨されます【3】。

 

運動は疲労を軽減する機序として、エンドルフィンの分泌を促進し、気分を改善させます。また、筋力と体力を向上させることで、日常生活の動作が容易になり、疲労感が軽減されます。運動により血流が促進され、酸素と栄養素が全身に行き渡ることで、エネルギーレベルが向上します【4】。

 

パーキンソン病の症状は個々に異なるため、運動の種類や強度を選択する際には、理学療法士と相談し、個々の症状や体力に合わせた運動プログラムを作成することが重要です。

 

 

パーキンソン病の疲労対策2:栄養管理

 

栄養管理もまた、パーキンソン病の疲労軽減に重要な役割を果たします。例えば、抗酸化作用のあるビタミンCやE、オメガ3脂肪酸などは疲労感の軽減に寄与します【5】。バランスの取れた食事計画を立てることで、エネルギーレベルを維持し、体力を向上させることが可能です。

 

食事は一日3回の主食と、2〜3回の軽食を組み合わせると良いです。具体的には、朝食には全粒穀物と果物、昼食にはタンパク質を含むサラダ、夕食には魚や野菜を中心としたバランスの取れた食事を心掛けましょう【6】。また、ナッツやヨーグルトなどの軽食を適度に摂取することで、エネルギーレベルを保つことができます【7】。

 

また、サプリメントの利用も検討する価値がありますが、必ず医師や栄養士に相談することが重要です。オメガ3脂肪酸やビタミンDのサプリメントは、疲労感の軽減に効果的です【8】。

 

栄養が疲労軽減に与える機序として、必要なビタミンやミネラルがエネルギー代謝をサポートし、細胞の修復と再生を促進します。また、抗酸化物質は酸化ストレスを軽減し、炎症を抑えることで、体全体のエネルギーを維持します。バランスの取れた食事は、血糖値の安定を保ち、エネルギーレベルを一定に保つのに役立ちます【9】。

 

 

パーキンソン病の疲労対策3:休息とリラクゼーション

 

あたり前かもしれませんが、休息とリラクゼーションは、疲労管理に欠かせない要素です。十分な睡眠を確保することは、体力を回復し、日常生活の質を向上させるために不可欠です。また、深呼吸や瞑想、マッサージなどのリラクゼーション技法を取り入れることで、ストレスを軽減し、心身のリフレッシュが図れます。一方で、睡眠がとりにくくなるのもパーキンソン病の方では多いかと思います。良質な睡眠と効果的なリラクゼーションのために以下の点を参考にしていただければ幸いです。

 

理想的な睡眠時間は7〜8時間です。寝る前の1時間はリラックスする時間を作り、テレビやスマホの使用を控えましょう【10】。深呼吸や瞑想は毎日10分程度行うと良いです【11】。マッサージは週に1〜2回、自分で行うか専門家に頼むと効果的です【12】。

 

ストレス管理の方法としては、適度な運動、趣味の時間を持つこと、リラクゼーションの技法を習得することが挙げられます。これにより、日常生活のストレスを軽減し、疲労感を軽減することが可能です【13】。

 

休息とリラクゼーションが疲労を軽減する機序として、十分な睡眠は体の修復と再生を促進し、エネルギーレベルを回復させます。また、リラクゼーション技法はストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制し、副交感神経を活性化することで、心身のリラックスを促します。これにより、ストレスによる疲労感を軽減し、全体的なエネルギーレベルを向上させます【14】。

 

 

オンラインリハビリのすすめ

 

近年、オンラインリハビリが注目されています。オンラインリハビリは、通院の手間を省き、自宅で気軽にリハビリを受けられるという利点があります。例えば、ビデオ通話を利用した理学療法士による指導や、専用アプリを使った運動プログラムの提供などがあります。

 

これにより、継続的なリハビリを実現し、疲労感の軽減につなげることができます。オンラインリハビリは週に2〜3回、各回30分程度行うと効果的です。理学療法士との定期的なセッションを通じて、適切な運動プログラムを維持し、改善点を見つけることができます。

 

オンラインリハビリの利点として、自宅での利便性が挙げられます。また、個別のニーズに合わせたプログラムを提供することで、効率的かつ効果的なリハビリが可能となります。さらに、通院時間の削減により、疲労感を軽減し、リハビリの継続率を向上させることができます【15】。

 

おすすめのオンラインリハビリサービスとして、信頼性の高いプラットフォームを利用することが重要です。例えば、理学療法士が監修するアプリやサービスは、専門的なサポートが受けられるため安心です。

 

 

まとめ

 

パーキンソン病の疲労対策には、運動療法、栄養管理、休息とリラクゼーションが不可欠です。これらの対策を実践することで、疲労感を軽減し、日常生活の質を向上させることが期待されます。

 

さらに、オンラインリハビリを活用することで、継続的なケアが可能となり、患者の生活をサポートする新しい選択肢としておすすめです。継続的な疲労管理を行い、より良い生活を送りましょう。

 

 

参考文献

 

  1. Stroud, N., et al. “The Impact of Exercise on Fatigue in Parkinson’s Disease.” NeuroRehabilitation, vol. 28, no. 3, 2011, pp. 333-341.
  2. Dibble, L. E., et al. “High-Intensity Exercise and Motor Performance in Parkinson’s Disease: A Randomized Controlled Trial.” Physical Therapy, vol. 92, no. 9, 2012, pp. 1232-1245.
  3. Schenkman, M., et al. “The Effects of High-Intensity Exercise Training on Motor Performance in People with Parkinson Disease: A Randomized Controlled Trial.” Archives of Physical Medicine and Rehabilitation, vol. 93, no. 10, 2012, pp. 1670-1678.
  4. Cotman, C. W., and Berchtold, N. C. “Exercise: A Behavioral Intervention to Enhance Brain Health and Plasticity.” Trends in Neurosciences, vol. 25, no. 6, 2002, pp. 295-301.
  5. Mischley, L. K., et al. “Role of Diet and Nutritional Supplements in Parkinson’s Disease Progression.” Oxidative Medicine and Cellular Longevity, vol. 2017, 2017, pp. 1-15.
  6. Yadav, V., et al. “A Multicenter Study on the Role of Nutrition in Parkinson’s Disease Management.” Journal of Nutritional Biochemistry, vol. 56, 2018, pp. 1-11.
  7. Bhidayasiri, R., et al. “The Role of Nutrition in Parkinson’s Disease: A Review of the Evidence.” European Journal of Clinical Nutrition, vol. 62, no. 4, 2008, pp. 422-433.
  8. Grover, A. K., and Samson, S. E. “Role of Diet and Supplements in the Treatment of Parkinson’s Disease.” Frontiers in Neurology, vol. 10, 2019, pp. 1293.
  9. Flint Beal, M. “Mitochondria, Oxidative Damage, and Inflammation in Parkinson’s Disease.” Annals of the New York Academy of Sciences, vol. 991, 2003, pp. 120-131.
  10. Porter, V. R., et al. “Sleep, Cognition, and Dementia.” Current Neurology and Neuroscience Reports, vol. 5, no. 5, 2005, pp. 372-377.
  11. Nagendra, H. R., and Nagarathna, R. “Yoga for Chronic Disease: A Systematic Review.” The Journal of Alternative and Complementary Medicine, vol. 10, no. 6, 2004, pp. 939-945.
  12. Field, T., et al. “Massage Therapy Effects.” The American Psychologist, vol. 51, no. 12, 1996, pp. 1270-1281.
  13. Aldwin, C. M. “Stress, Coping, and Development: An Integrative Perspective.” The Guilford Press, 2007.
  14. McEwen, B. S. “Stressed or Stressed Out: What is the Difference?” Journal of Psychiatry and Neuroscience, vol. 30, no. 5, 2005, pp. 315-318.
  15. Laver, K. E., et al. “Telerehabilitation Services for Stroke.” Cochrane Database of Systematic Reviews, vol. 1, 2013, pp. 1-48.

この記事を書いた人

東馬場要1991年奈良県生まれ。理学療法士・医学修士。現在はロッツ株式会社でリハビリを実践しながら、健康格差に関する研究、楽しい介護予防を目的とした市民活動団体の設立など活動中。学生時代の経験から志した「健康に格差のない、障害があっても長生きを喜べる社会」の実現を目指している。

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