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更新日:2024.08.06ヘルスケア在宅療養における理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の役割

高齢化社会が進む中で、在宅療養の重要性は増しています。その中で色々な専門職が携わりますが、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリテーション専門職がどのような役割を果たしているかご存知でしょうか。この記事では、これらの専門家たちの役割とその影響について詳しく解説します。

リハビリテーションの役割

要点

  • 日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加を促す(リハ関連団体連絡協議会・介護保険部会)
  • 自宅における生活環境の調整や、地域の中に生きがい・役割をもって生活ができるような居場所と出番づくり等、本人と本人を取り巻く環境へのアプローチ(リハ関連団体連絡協議会・介護保険部会)
  • 高齢者だけでなく、復職支援、小児などを含めて全世代を対象としている(日本リハビリテーション病院・施設協会:2016年版地域リハビリテーションの定義,推進課題,活動指針について)

 

リハビリテーションは、身体の機能回復を通じて日常生活の質を向上させるための重要な手段です。その目的は、患者が自立した生活を送れるように支援し、社会参加を促進することです。リハビリテーションは、自宅における生活環境の調整や、地域での生きがい作り、役割を持てる場の提供など、本人とその周囲の環境への働きかけを通して家庭や社会への参加を促し、日常生活の活動を高めることを目的としています。

 

また、リハビリテーションは高齢者だけでなく、復職支援や小児を含む全世代を対象としています。

このように、リハビリテーションは幅広い年齢層に対応し、多様なニーズに応えることが求められています。

 

理学療法士の役割

要点

日常生活に必要な「寝返る・起き上がる・立つ・座る・歩く」といった基本的な動作について、
利用者さまの状態に合わせた方法で獲得を目指し、利用者さまが自立した日常生活が送れるように支援することが役割です。
外出についても、電動車いすや杖、装具の利用を含め安心して行えるように支援します。

 

理学療法士は、患者が基本的な身体動作を獲得し、日常生活を自立して送れるように支援します。具体的には、「寝返る」「起き上がる」「立つ」「座る」「歩く」といった基本的な動作を、利用者の状態に合わせて指導します。これにより、患者は自宅でも安心して生活できるようになります。

 

理学療法士はまた、外出時の安全をサポートする役割も果たします。電動車いすや杖、装具の利用を含めて、患者が外出を安心して行えるように支援します。これにより、患者は地域社会に参加しやすくなり、生活の質が向上します。例えば、外出が可能になることで、患者は友人や家族との交流を楽しむことができ、孤立感が軽減されます。

 

作業療法士の役割

要点

「食事をする、着替えをする、トイレでの動作、入浴をする、掃除や洗濯をする」といった、趣味活動や仕事を含む、日常生活を送るうえで必要な動作を一人で行えるようにサポートするというものです。
また、認知症や精神疾患のある方やご家族が安心して生活を送れるようにサポートします。

 

作業療法士は、患者が日常生活を送る上で必要な動作を一人で行えるようにサポートします。具体的な活動には、「食事をする」「着替えをする」「トイレでの動作」「入浴をする」「掃除や洗濯をする」などがあります。これらの活動は、患者が自立して生活するために不可欠な要素です。

 

さらに、作業療法士は趣味活動や仕事を通じて、患者の生活に喜びや目的を見出す手助けをします。これにより、患者は日常生活での活動を通じて達成感を得ることができ、精神的な満足感を感じやすくなります。また、認知症や精神疾患のある患者やその家族が安心して生活できるよう、環境の調整や支援を行います。これにより、患者はより豊かな生活を送ることができます。例えば、家庭内での役割を持つことで、自信を取り戻し、家族との関係が深まります。

 

言語聴覚士の役割

要点

失語症を含む高次脳機能障害、構音障害への対応を通した円滑なコミュニケーションの獲得、嚥下機能の改善や食事形態の工夫などによる安全な食事に向けた支援を行います。
コミュニケーションの障害は、小児から高齢者まで幅広い世代にみられ、聴覚の障害、ことばの発達遅延、吃音、失語症、声や発音の機能不全など多岐にわたっています。

 

言語聴覚士は、失語症や高次脳機能障害、構音障害などに対処し、円滑なコミュニケーションを獲得する支援を行います。また、嚥下機能の改善や食事形態の工夫を通じて、安全な食事をサポートします。これにより、患者は日常生活において他者とコミュニケーションをとりやすくなります。

 

コミュニケーションの障害は小児から高齢者まで幅広い世代に見られます。言語聴覚士は、聴覚障害、ことばの発達遅延、吃音、失語症、声や発音の機能不全など、多岐にわたる問題に対応します。これにより、患者はより良い社会参加が可能となり、生活の質が向上します。例えば、コミュニケーション能力の改善により、他者との交流が増え、社会活動に参加する機会が増えることで、孤立を防ぎ、生活が充実します。

 

 

 

在宅療養におけるリハビリテーションの連携の重要性

在宅療養においては、各専門職が協力して患者のケアに当たることが重要です。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士は、患者の様々なニーズに応じてチームを組み、包括的なサポートを提供します。この連携により、患者が必要とする多面的なアプローチを実現します。

 

また、医師や看護師、ケアマネージャー、ソーシャルワーカーなど、他の専門職との連携も欠かせません。これにより、患者に最適なケアプランを策定し、患者の生活全般にわたる支援が可能になります。各職種が持つ専門知識とスキルを最大限に活用し、情報を共有することで、より効果的な支援が実現します。

 

連携が強化されることで、患者の状態やニーズに迅速に対応できるようになります。例えば、理学療法士が患者の身体機能の変化を察知した場合、作業療法士や言語聴覚士と情報を共有し、適切な調整を行うことができます。このような連携により、患者が快適に在宅療養を続けられる環境が整います。

参考

この記事を書いた人

東馬場要1991年奈良県生まれ。理学療法士・医学修士。現在はロッツ株式会社でリハビリを実践しながら、健康格差に関する研究、楽しい介護予防を目的とした市民活動団体の設立など活動中。学生時代の経験から志した「健康に格差のない、障害があっても長生きを喜べる社会」の実現を目指している。

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